EV購入に向けて情報収集<第一弾>//国産EVの性能を分析
トヨタ、日産、スバル、三菱、いま日本の自動車メーカーから次々に電気自動車(以降、EV)が発売されているのをご存知ですか?
今や世界の流れはEVに向かっています。
しかし、
- まだまだ価格が高い。
- 充電スタンドが少ない。
- どうやって選べばいいかわからない。
といった理由で、「興味はあるけどもう少し様子を見よう」という方も多いことでしょう。
僕自身その一人です。
そこで、EV購入に向けて下調べを進めていくことにしました。
- テスラが有名だけど、国産EVとどっちがいいの?
- 国産EVってどんな種類があるの?
- 中国もEV開発が進んでるって聞くけどどんな車?
- 充電ってどうやるの?いくらかかるの?
そんなことを少しづつ調べてまとめていきたいと思います。
第一弾は「今の国産EVの性能」についてまとめました。
- 2022年6月時点、最近発売された国産EV(6車種)
- それぞれの性能(バッテリー容量、出力、航続距離、電力消費率)
- テスラとの航続距離の比較
分析する車種
まずは今の国産EV性能を見ていきます。
今回見たのはこちらの車種です。
比較のためテスラも加えました。
トヨタbZ4x と スバルソルテラ
日産サクラ と 三菱ekクロスEV
この2組はそれぞれ共同開発のため、モーターとバッテリーが共通です。
それぞれの車に対して、こちらの5つの性能を比較・分析しました。
- バッテリー容量(総電力量)[kWh]
- 一充電走行距離(WLTC)[km]
- 電力消費率(WLTC)[Wh/km]
- 最高出力(2モーターの場合は合算値)[kW]
- 最大トルク(2モーターの場合は合算値)[Nm]
※各数値は、2022年6月15日時点の各社HPに記載の数値を使用しました。
国産EVの出力、トルク
まず、出力、トルクから見ていきましょう。
いろいろなタイプの車がありますので、バッテリー容量を横軸にしてグラフにしました。
各社で表記に違いがありましたが、2モーターの場合は合算値を使いました。
予想
AWD,SUVなどの走り(パワー)を重視する車種ほど電力がたくさん必要になります。
加えて、SUVはロングツーリングによく使われるので、バッテリ容量も大きくなるでしょう。
だからグラフは右肩上がりになるはず。
結果
参考に現行のスバルレヴォーグ(1.8Lターボ)<僕の愛車>の性能も表に記載しました。
(負けてる。。。)
出力
最高出力時の回転数が10000rpmを超えていました。ガソリンエンジンの2倍くらいです。
レヴォーグに比べて出力がやたらと高いのはそのせいでしょうか?
SUV=160kW
5ドア=110~160kW(バッテリー容量で個性が変わる)
軽=47kW
この値が今後の基準になりそうです。
トルク
最高値(合算値)も高いが、走り出し直後(0rpm)でこのトルクが出せるのはEVの大きな利点です。
ガソリンエンジンでは走り出しの加速性能の向上に苦労していたメーカーも、EVになると抑え方を考えるようになるのでしょうか?
SUV=2WD:250~300Nm、4WD:300~350Nm
5ドア=300~350Nm
軽=195Nm
この値が今後の基準になりそうです。
まとめ
ガソリン車も出力はkW,トルクはNmの単位であらわすのですが、数字だけ見ると同じタイプ(軽、SUVなど)のガソリン車の上位クラス相当かそれ以上というところでしょうか?
価格も高くてパワーが低かったら誰も買わないですからね。
国産EVの航続距離
続いて、航続距離を見てみましょう。
EVを買ううえで最も気になるところではないでしょうか?
最近話題のテスラモデル3、モデルYもグラフに記載しました(容量は不明)。
予想
バッテリー容量が大きいほど長く走れるでしょう。
注目は、同じバッテリー容量でメーカーによって差があるのか?というところです。
結果
今の国産EVのバッテリー容量と航続距離の関係はグラフの赤帯の範囲に収まっています。
bZ4xとソルテラの18インチモデルが帯の上のほうにいるので、他の国産EVと比べて「バッテリー容量に対する航続距離」がやや優位でしょうか?
航続距離そのものはモデル3のRWD(低価格モデル)と同等です。
ちなみにbZ4xとソルテラの20インチモデルは50㎞くらい航続距離が下がっています。
モデルYのRWD(低価格モデル)と同等です。
テスラのハイグレードモデルは高額ですし、0-100km/hが3秒台というのは日本で走るにはオーバースペックですので、おそらく日本で購入される方は少ないでしょう?
そう考えると、bz4x、ソルテラとモデル3、モデルYの航続距離は国内で実質同等と言えます。
もちろん、もっと大きなバッテリーを積めば国産車も航続距離は伸びます。
まだ暫定値ですがアリアB9は90kWhのバッテリーで航続距離は600㎞以上になりそうです。
日産は軽EVも販売していますので、ラインナップの広さはダントツです。
航続距離[km]の目安はこんなところでしょうか?
軽:バッテリ容量[kWh] × 9
SUV、5ドア:バッテリー容量[kWh] × 7~8
国産EVの電力消費率(効率)
最後に電力消費率です。
同じ距離を走るのにどれだけ電力を消費するか?ということですので、数値が少ないほうが効率がいい車ということになります。
予想
基本的には大きい車ほど走るための電力が必要ですので、電力消費率は悪くなるはずです。
結果
航続距離でも見られましたが、電力消費率のグラフにするとbZ4xとソルテラの優秀さがよりはっきりします。
2WDの18インチモデルだと、サクラ、ekクロス(EV軽)と同等の電力消費率ということになります。
ただ、何でかがわかりません。
・大容量バッテリー+高出力モーターのほうが効率が良かったりするのでしょうか?
・車両重量も含めたバランスでしょうか?
・コンセプト?
そういった意味でも、アリアB9がどの位置に来るのかは気になるところです。
ロングツーリングをする方にとっては、航続距離よりもこちらの電力消費率のほうが重要なのではないかと思います。
ガソリン車でいうところの燃費です。
大きい車、パワーのあるガソリン車は比較的すぐにガソリンがなくなってしまいますが、ガソリンスタンドによればすぐに満タンにできます。
一方でEV(SUV)の場合、急速充電(50kW)でも80%まで充電するのに約1時間かかります。
しかも、聞くところによると外の充電スタンドは1回30分までといった時間制限もあるそうです。
そうなると、単純計算でも40%しか充電できません。
つまり、満充電で500㎞走れるEVでも、一度充電が切れると200㎞ごとに充電が必要になります。
このあたり、今後詳しく調べていきたいと思います。
まとめ
国産EV比較でわかったこと
- トルク、出力については、同タイプのガソリン車のハイグレード相当。
- 最近話題のテスラだが、航続距離の面では、トヨタ、スバルのEVと国内では実質同等。
- 大きいバッテリーを積んでいるほど車両が重くなって電力消費率が悪くなるものかと思っていたが、そうでもない。トヨタ、スバルのEEVがバッテリー容量のわりに優秀か?日産アリアB9がどこに来るのか気になる。
すると、新たに気になったのはこの3つ。
- ロングツーリング、通勤、買い物など実際の使い方で、どれくらい外充電が必要か?
- 充電スタンド十分にあるのか?
- 家でも充電できた方がいいか?