犬の社会化と社会化期//犬を飼って最初にやること
犬を飼い始めたら最初にやることは何でしょう?
愛犬が、この先、人間社会の中で生きていくうえで大切なことが「犬の社会化」です。
ここでは、「犬の社会化」と「社会化期にやるべきことと注意」について説明します。
犬の社会化とは?
犬の社会化とは、簡単に言うと、
どこでも、誰とでも、ほかの犬とも、友好的に接することができる
ということです。
「そんなに上手にしつけられないかも?」
と思うかもしれません。
犬の社会化がうまくいくかを決めるのは、しつけ方だけではありません。
しつけ以前に重要なこと、それが
社会化期の環境
なのです。
社会化期とは?
社会化期とは、子犬の時期で、特に感受性が高く、様々なことを受け入れやすい時期です。
犬の社会化期は、生後3~12週の期間で、感受期とも言います。
この時期を過ぎると、徐々に新しいをことを受け入れにくくなり、恐怖やストレスを感じやすくなってしまいます。
社会化期は、「前半」と「後半」で適切な環境や注意点に違いがあります。
社会化期前半は、母犬から離してはいけない
まず社会化期前半について説明します。
子犬はかわいいので、少しでも早く家に迎え入れたいところですが、
社会化期の前半(生後3週から7週前後)は
母犬や兄弟犬から絶対に離してはいけません。
なぜなら、犬同士の社会化に重要な時期だからです。
- 兄弟犬同士のじゃれあい(ワンプロ)のなかで、甘噛みや力の加減を学ぶ
※行き過ぎた行動に対して母犬は叱責をする - 遊びに誘う、威嚇、服従など、犬らしいボディランゲージを覚える
- 自分が犬だと自覚する
- 短時間でも母犬がいる寝床から離れるといった小さな自立を経験する
犬同士の社会かも重要なことですが、将来、人間社会で
生活するためには人にも慣れないといけません。
社会化期は様々なものを受け入れやすい時期で、
とても好奇心旺盛ですが、徐々に警戒心も強くなってきます。
そのため、社会化期前半のうちに、
母犬や兄弟犬との生活を大切にしながらも、
人にも慣れてもらうことが重要です。
一時的に母犬から子犬を預かって、
人が世話をする時間も作ります。
以上のことから、子犬が一般家庭に迎えられるのは
社会化期後半からになります。
子犬を迎え入れる際は、
それまでペットショップやブリーダーのもとで
どのような生活をしていたのか注意するようにしましょう。
子犬を迎え入れたら
次に社会化期後半について説明します。
前述のように、一般家庭に子犬が
迎え入れられるのは、早くても生後7~9週です。
ここから、飼い主さんの出番です。
社会化期は生後12週までです。
そのため、迎え入れた直後が愛犬にとっても大切な時期になります。
この時期に多くの楽しい経験をすることで、
将来的に様々な人や動物や物に友好的になりやすくなります。
ただし、注意することが2つあります。
これらに十分注意しながら、しつけやトレーニングをします。
- 抗体が不十分なため、感染症に注意
- 恐怖体験をさせてはいけない
詳しく説明します。
感染症に注意
生後8週になると母犬から受け継いだ移行抗体が
減ってきます。
そのため、生後8週前後の子犬を迎え入れたら、
動物病院でワクチン接種をする必要があります。
ワクチンは生後8週以降の仔犬に計3回接種します。
そして、最後の接種から免疫がつくまでで、
早くても生後16週になってしまいます。
そう、社会化期を過ぎてしまいます。
動物病院によっては、
「免疫がつくまで外出を控えるように」
と言われるかもしれません。
しかし、、、
近年では、犬の社会化促進のため、
- 短時間、抱っこして外出をする
- 飼い主以外の人におやつを与えてもらう
など、感染症に注意しながら、
多くの楽しい経験をさせることを推奨する
動物病院も増えています。
感染経路は以下のようなものがあります。
- ほかの犬(動物)の糞尿
- ほかの犬(動物)の唾液
- 野生動物との接触
- ノミ・ダニ(春から夏の草地など)
恐怖体験をさせてはいけない
社会化期は様々なものを受け入れやすい時期ですが、
生後10週前後をピークに警戒心も強くなります。
この時期に怖い思いや嫌な思いをすると、
将来的にトラウマとなってしまうことがあります。
家の中では、目を離さないようにして、
離れる時はクレートやサークルの中など
安全な場所に入れておきましょう。
外出時も常に目を離さないようにして、
抱っこするなどして、十分注意しましょう。
多くの楽しい経験をさせることが大切です。
しつけ・トレーニング
しつけやトレーニングというと難しく感じますが、要するに
- 飼い主との接し方に慣れさせる
- クレートやキャリーバッグに慣れさせる
- お留守番に慣れさせる
- 外の環境に慣れさせる
- 家族以外の人やほかの犬に慣れさせる
ということです。
詳しくはこちらをご覧ください。
社会化期の間に様々な経験をさせておくことで、
将来的に人間社会に対応しやすくなります。
社会化期の後も
社会化期(生後3~12週)のあとも
継続して多くの楽しい経験をさせてあげましょう。
慣れるのに時間がかかることもありますが、
社会化を促進するすることができます。
ただし、すべての犬が同じようにはなりません。
同じ犬種でも性格の違いで、好き嫌い、得意不得意があります。
愛犬をよく観察して、愛犬が楽しいと感じる経験を
たくさんさせてあげましょう。
まとめ
基本
- 犬の社会化とは、様々な場所で、
様々な人やほかの犬と友好的に接することができること - 犬の社会化には社会化期(生後3~12週)の
環境が大きく影響する - 社会化期の後も楽しい経験から社会化を促進できる
迎え入れる前
- 社会化期前半は母犬や兄弟犬と過ごす時間を
大切にしつつ、人にも慣れさせることが重要
迎え入れてから
- 社会化期後半は感染症に注意しながらも、
外でたくさんの楽しい経験をさせることが重要 - しつけやトレーニングを通して様々な経験をすることで
将来的に人間社会に適応しやすくなる