電動キックボードのシェアリングサービス比較//シェアか購入か//みなとみらいのおすすめ
最近、見ることが増えた「電動キックボードのシェアリングサービス」ですが、「駐車してあるところは見たことあるけど、乗ったことはない」という人も多いのでは?
そこで、「実際に乗ってみた感想」「シェアと購入どっちがお得か?」「そもそも何で電動キックボードなのか?」を記事にしました。
- 電動キックボードの注意点は?
- 自転車とどっちがいいの?
- シェアサービスごとの料金形態の違い
- と、適した使い方
- シェアと購入どっちがお得か?
電動キックボード基本情報
広がるシェアリングサービス
現在全国各地で様々な会社が電動キックボードのシェアリングサービスの実証実験を実施しています。
交通の利便性改善や地域活性化のための新しい移動手段として注目されています。
事前登録をしておけば、スマホでロックを解除して気軽に乗ることができるのが特徴です。
こちら、以前書いた記事です。
どんなメリット?
- 環境にやさしい
- CO2排出ゼロ。2050年カーボンニュートラルに向けて政府、企業、自治体が一丸となって電動化を進めています。
- ワンマイル利用(10分くらいの移動)に便利
- 駅からオフィス、オフィスから近くの営業先、住宅から駅などのちょっとした移動に便利なモビリティーです。
- 服装の自由
- スカートなどサドルに跨がれない服装でも乗れます。
免許は?
現状の法律では普通免許が必要です。(原付免許は不可)
ただし、すでに2022年4月に免許不要とする道路交通法改正案が可決してます。
実際に乗って感じたこと(LUUP)
「LUUP」でみなとみらい周辺を走行しました。
実は電動キックボードに乗るのは今回が初めてです。
そこで、初めて電動キックボードに乗って感じたことをまとめました。
プラスポイント5つ
目的地の空きスペースがわかる
こういったシェアリングサービスでは、サービスエリア内のあるポートから出発して、別のポート(目的地)で返却するのがよくある形式です。
しかし、「目的地のポートが満車だったらどうしよう」という不安があります。
その点LUUPはアプリで目的地の空き状況もわかるので安心して移動できます。
安定感はある
普通のキックボードも乗ったことないので不安でしたが、すぐに慣れました。バイクと違って立ちごけの心配はなさそうです。
15km/hくらいなら怖くない
慣れてくると遅く感じるのですが、初心者にはちょうどいいスピードです。
最高速度が切り替えられるようになっているといいと思いました。
保険がついているのは安心
乗り物に事故はつきものです。LUUPも含めほとんどのシェアリングサービスの会社は保険に入っているため補償範囲の事故であれば補償を受けられます。万が一のこともありますのでシェアリングサービスを使うときは絶対に保険の確認しましょう。
自転車専用レーンがある道路が多い
街(みなとみらい)についての話になりますが、大きな道路はほとんど自転車専用レーンがあり、安心して走ることができました。
マイナスポイント6つ
自転車より遅い?
実証実験ということもあり今は最高速15㎞/hに設定されています。
15km/hってどれくらいかというと、のんびり自転車をこいだスピード、歩くよりは早いですが自転車なら簡単に抜かせるスピードといったところです。
最初はいいのですが、慣れてくると後ろからくる車が怖く感じます。
路上駐車の車
道路の左端に止めている車が何台かありました。
よけるときに後ろから来る車に注意が必要です。
速度が遅いので一瞬で車が追い付いてきて怖く感じました。
歩道で移動する時間が長い
電動キックボードは2段階右折はできないので右折時は道路の中央に寄っていかないといけません。しかし、危険なので手押しで歩道に移動して横断歩道を使って右折することが推奨されています。
右折が多いルートだったせいかもしれませんが、歩道を歩いている時間が長く感じました。
それと、ポートの設置場所から車道に出るまでも歩きます。ポートが行きたい方向と反対側の車線にあると余計歩かないといけません。
ウィンカー・クラクションの操作
事前に見ておけばよかったのですが、手探りでウィンカーを出そうとしたらクラクションを鳴らしてしまいました。見かけによらず大きい音が出ます。
僕が乗った車体はボタン式でした。
初めて乗るときは、走行前にスイッチ類の確認したほうがよさそうです。
写真左:LUUPのウィンカー&クラクション(ボタン式)
写真右:他の電動キックボードのウィンカー&クラクション(レバー式)
ポートの場所がわかりずらい
大体の場所はアプリでわかるのですが、大きな看板があるわけではないので物陰にあって近くまで行かないとわからないポートもあります。
スマホ画面が消えている
これは自分のスマホ設定の問題ですが、
ポートの地図を見ながら移動しようと思っていたら、いつの間にか画面が消えていました。
設定を変えるか、普段使っているナビアプリを使うかした方がいいですね。
総合的に
感じたことを3つにギュッとまとめると
シェアリングサービスとしてはよくできている
非常に使いやすいし、保険もついていて安心。
ついでに目的地までナビをしてくれれば申し分ない。
乗ること自体は難しくない
ほとんどの人はすぐに慣れるでしょう。
高齢者や買い物客の利用も考えるなら3輪タイプ、カゴ付きタイプ、椅子付きタイプもあると便利。
機体の特性と実際の交通環境がマッチしていない
もう少し具体的に言うと
- 速度が遅いため車道を走れるというメリットを十分に生かせていないように感じる。
とはいえ速いのも危険。 - 仮に歩道を走れたとしても、小回りや細かい速度調整が難しいため危険。
- 公道よりも大学、大型ショッピングモール、工場などの車が通らない広い敷地内での利用が向いていそう。
- 「自転車と同等の速度であれば、歩道の中の自転車専用レーンの走行可」になれば、観光地巡りなどが楽になりそう。(現状は走行禁止)
やはり、速度制限を含めた法改正と街の整備がネックになっていると感じます。
速度については引き上げられるという話もありますのでもう少し使いやすくなるのではないでしょうか。
もちろん利用者が増えてくれば、利用者のマナーやマナー違反の取り締まりも大事になってきます。
自転車と電動キックボードどっちがいいの?
「電動キックボード」「電動アシスト付自転車」のシェアリングサービスそれぞれの特徴をまとめると以下の通りです。
- シェアにしても購入にしても費用が高い
- 日常使いというより趣味娯楽用
- 短時間のシェアリングサービスは安価なので一度は体験したい
- 観光地での移動手段としては、電動アシスト付き自転車がオススメ
- 安全、便利、安い
- 月に20日以上使うならシェアより購入したほうがお得
※駐輪代が必要な場合は別
当初、「自転車の代わりとして普及すれば放置自転車や盗難が減るのではないか?」と思っていました。
実際に乗ってみると、「歩くよりは楽だけど、自転車のほうがいい」と感じました。
走行ルートにもよりますが、コストを抜きにしても自転車の代わりとして見ると使い勝手が悪そうでした。
- 今の電動キックボードの速度設定(15km/h)では自転車のほうが早い
- 同じ速度で走るとしても、右折時は歩道で手押しなので自転車のほうが早い
- 同じ手押しでも自転車のほうが軽い
- 電動キックボードはポートから車道も手押し
- 電動キックボードは路上駐車の車両をよけるのが怖い
みなとみらいの電動モビリティ比較
みなとみらいのシェアリングサービス
今回みなとみらいに来てから知ったのですが、「LUUP」以外にも、同じく電動キックボードのシェアリングサービス「ベイスクーター」、電動アシスト付き自転車のシェアリングサービス「ベイバイク」が設置されていました。
調べてみると、それぞれ料金形態が大きく違いました。さらに、整理すると「それぞれに適した使い方」や「シェアと購入ではどちらがいいか?」が見えてきました。
各シェアリングサービス概要
LUUP(ループ)
- 車体
電動キックボード - 料金
基本料金 50円(税込み)
以降 15円/分(税込み)
BAYSCOOTER(ベイスクーター)
- 車体
電動キックボード - 料金
60分 990円(税込み)
61分以降 440円/30分(税込み) - 補足
原則借りたポートに返却。違うポートに返却する場合追加料金が発生。
baybike(ベイバイク)
- 車体
電動アシスト付き自転車 - 料金
- 1回30分 165円
- 月額 2200円
- 30分超過ごと +165円
- 1日パス 1527円
用途で選ぶ電動モビリティ
1day利用
観光の際の移動手段として使うならどれがいいのでしょう?
それぞれの料金設定から、時間ごとの必要料金を計算すると次のことがわかりました。
- 長時間利用するほど、電動キックボードは割高
- 30分程度のちょい乗りなら、LUUPとbaybikeの料金差は少ない
- 60分以上はLUUPとBAYSCOOTERの料金差は少ない
- baybikeを利用する場合、4時間半以上は1日パスがお得
やはり、電動キックボードは割高です。もっと自由な乗り方ができれば体験型アクティビティとしての付加価値が生まれるのかもしれませんね。もしくは、もっと普及すれば低価格で乗れるようになるのでしょうか?
日常利用
ちょい乗りでの料金差は少ないようでしたが、日常的にちょい乗り利用したらどうなるのでしょう?
それぞれ、20分間利用した回数ごとの料金を計算しました。
- LUUPはbaybikeの約2倍の料金。回数を重ねると料金差も増える
- baybikeの場合、月に14回以上利用するなら、月額2200円がお得
こうして見ると、baybikeがかなり割安に見えます。
例えば、月に20日公共交通機関で片道170円の区間(1~6㎞)を往復すると、月額6800円になります。
baybikeなら1回利用だと6600円(40回分)でほぼ同額だが、月額利用なら月額2200円。
かなりお得なシステムですね。
LUUPの場合、20分×40回=14000円。
やはり、今の料金設定では日常利用はむずかしい。
シェアか?購入か?
電動キックボード
「シェアでもここまで高いんだったら、購入してしまった方が安いのでは?」と思い確認しました。
すると、やはりそうでした。
本体:80000円
任意保険:20000円/年
自賠責:7500円/年
軽自動車税:2000円/年
本体価格にもよりますが、1年間がっつり使えば元が取れます。
しかし、メーカーの保障期間は1年に設定しているところが多いようです。
2年目からは修理費用なども考えないといけません。
また、シェアより安いとはいえ高価で法整備も途中なので、しばらく様子を見た方がいいでしょう。
電動アシスト付き自転車
比較的割安な電動アシスト付き自転車ですが、購入した場合どれくらいで元が取れるのでしょう?
結論、本体価格にもよりますが、4年で元が取れます。
※駐輪代、メンテ代は含んでいません。駐輪代が月2200円だと永遠に元は取れません。
チャイルドシートやカゴがつけられるというのも購入する理由になりますね。
ただし、メーカーの保障期間が1年から3年くらいという点に注意です。
本体:80000円
自転車保険:3000円/年
実際の利用者
実際に街中を歩いていたところ、baybike(ベイバイク)を使用している人をたびたび見かけました。平日の日中という時間帯とで服装から、通勤または仕事で利用しているようでした。
自転車に乗っている人の10人に一人くらいはbaybaikeを乗っているように見えました。
ちなみに電動キックボードは1グループ3人を一度見ただけでした。
おそらく、週末であれば観光客が利用するのかと思います。
みなとみらいの道路
街中を歩いていて思ったのですが、自転車に対して進入禁止や駐輪禁止など厳しく取り締まりがされていました。
シェアリングサービスを普及させるにあたって、マナー違反は大きな弊害になります。
企業だけでなく街全体での取り組みが必要ということでしょう。
まとめ
実際に電動キックボードのシェアリングサービスを使って感じたこと
- シェアリングサービスとしてはよくできている。
- 乗ること自体は難しくない。
- 機体の特性と実際の交通環境がマッチしていない。
自転車の代わりになる?
- 自転車の代わりとしては使い勝手が悪そう。
- 歩くよりは速い。
価格設定に適したシェアサービスの使い分け
- 価格だけ見れば、baybike一択。月額設定もあるので日常利用もできる。
- 30分以下のちょい乗りならLUUPも安価なので乗るのはアリ。
- 電動キックボードに乗りたいという場合、60分以上はLUUPもBAYSCOOTERもほぼ同額。
※BAYSCOOTERは借りた場所に戻すこと
購入か?シェアサービスか?
- 月に20日ちょい乗りで使った場合、電動キックボードは1年で、電動アシスト付き自転車は4年で元が取れる。(駐輪代、メンテ代は除く。)
- 電動キックボードについては、価格も高く、法整備も途中なので購入は待った方がいいだろう。
アプリはこちら
最初は、せっかくみなとみらいに来たので試しに「LUUP」に乗ってみようと思っていただけなのですが、街中を歩いていたところ他のシェアリングサービスを見つけたので比較をしてみました。
料金設定のグラフを作ってみて、「うまい料金設定だな」と感心。
もとは「人とくるまのテクノロジー展」を見に来たのですが、そこでも各自動車メーカーや部品メーカーが電動化社会に向けた取り組みを展示していました。
電動キックボードについては、「もっとうまい使い方、活かし方はないのかなー」というところです。
ただ、法整備も進んでいるところですので、この先、電動化社会促進の一翼を担ってくれることを期待しています。
以上、ひろきでした。ではまた!!